トップマイラー=未来のリーディングサイアー?シュネルマイスターの可能性

生き物
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マイルチャンピオンシップでグランアレグリアとシュネルマイスターの対決が行われますが、今回はシュネルマイスターにスポットを当ててその血統背景や引退・種牡馬入り後の可能性についてみていこうと思います。

シュネルマイスターってどんな馬?

シュネルマイスターはKingman産駒の牡馬で、表記の生産者はノーザンファーム(ドイツ)というもの。しかしながらこの表記がされている日本での競走馬はシュネルマイスターしかおらず、なおかつノーザンファームの公式サイトを見てもこれに関する記述はないため、不明点が多いのは否めない。
しかしシュネルマイスターの母である「セリエンホルデ(Serienhorde)」がその翌年には安平町のノーザンファームでロードカナロアの仔を産んでいることから、現役引退後にKingmanを受胎した状態でノーザンファームが購入し、シュネルマイスターが生まれた後母子ともども日本に渡ったと想定される。

その後国内でも最高レベルの馴致施設を持つノーザンファームで育てられたシュネルマイスターは、サンデーレーシングのクラブ馬として一口125万で募集され、美浦の手塚貴久きゅう舎からデビューし、NHKマイルカップ勝ちなど6戦4勝の成績を挙げている。(2021年11月20日現在)

シュネルマイスターの血統構成

シュネルマイスターの父Kingmanはその父Invincible Sprit、母Zendaという血統の種牡馬で、現役時代は愛2000ギニーやサセックスSなど1600mのG1を4勝し、種牡馬入り後ムーラン・ド・ロンシャン賞などを勝つPercian Kingなどを輩出し、世界でも注目されるトップサイアーの1頭といえます。
一方の母セリエンホルデはシュヴァルツゴルト(Schwarzgold)から続くドイツの名牝ライン、Sラインの流れを組む馬です。このSラインは日本の競馬界と関わりが深く、オークス馬ソウルスターリングの母スタセリタや朝日杯FS勝ち馬サリオスの母サロミナをはじめ、ビワハイジ-ブエナビスタのラインや有馬記念馬マンハッタンカフェの母サトルチェンジもこのSラインが血統表に輝いているという実績があります。

シュネルマイスターの引退後は安泰?

まだ3歳馬に引退後の話をするものではないかもしれませんが、シュネルマイスターにはその血統構成から現役引退・種牡馬入り後もリーディングサイアー争いにほぼ確実に参戦し、トップサイアーになる十分な可能性を秘めているといえます。ここからはそう考えられる理由を見ていきます。

サンデーサイレンスの血を持たず、ミスプロの血も遠いという強み

日本の競馬界はサンデーサイレンスの衝撃以降、ディープインパクトを筆頭にその血を継ぐ多くの優駿たちが多彩な活躍をしており、種牡馬・繁殖牝馬を問わず血統表にその名前をない馬を探すほうが大変といえるでしょう。
一方でキングカメハメハからロードカナロアへと続くミスタープロスペクターの血も日本では大きな支配力を持っているのも現状で、その血を持たずデアリングタクトやエフフォーリアという活躍馬がいるエピファネイアに良質な繁殖牝馬が集まるのも当然といえます。

シュネルマイスターはドイツ生産馬なのでサンデーサイレンスの血がないことはもちろんですが、ミスプロも父Kingmanの血統表の5代前に出てくるのみで非常に遠いといえ、日本の繁殖牝馬で配合相手を選ぶということも少ないですし、グランアレグリアやラヴズオンリーユー、クロノジェネシスといった現役の名牝たちが引退後の配合相手としても全く差し支えないんです。

クラシック重視からの路線変更

「種牡馬選定競争」ともいわれる日本ダービーをはじめ、日本の競馬ではこれまでクラシックの勝ち馬、またはクラシックで活躍した馬が種牡馬入り後、多くの種付けをして有力馬が生まれ、その血が紡がれていくということを繰り返しています。しかし徐々にその流れも変わりつつあり、クラシックと縁がなかったロードカナロアやヘニーヒューズをはじめとするダート系種牡馬もリーディングTOP20に入るなど今までとは違う流れになりつつあります。

この流れに乗ってシュネルマイスターが引退後、新たなリーディングサイアーの一角となることは容易に想像が可能で、そういった意味でもシュネルマイスターの未来は明るいといえるんです。

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